
就労継続支援B型事業所とは
就労継続支援B型は、障害や難病のある方が「働く」を通じて社会とつながるための障害福祉サービスです。一般企業への就職や、雇用契約を結んだ働き方がすぐには難しい方でも、自分のペースで生産活動(仕事)に取り組みながら、就労に必要なスキルや生活リズムを少しずつ身につけていくことができます。
「いきなり一般就労は不安」「体調に波があって毎日同じペースでは働けない」「久しぶりに社会とのつながりを取り戻したい」そんな方にとって、無理なく一歩を踏み出せる場所です。利用期間に制限はなく、1日数時間・週に数日からでもスタートできるので、体調や生活リズムに合わせた自分らしい働き方が実現できます。
また、B型事業所は単に「仕事をする場所」というだけではありません。毎日通える居場所として、生活リズムを整えたり、スタッフや他の利用者と交流することで孤立を防いだりする、日中活動の場としての役割も担っています。「まずは外に出ることから始めたい」という方にも、ぜひ活用していただきたいサービスです。
A型・就労移行支援との違いは?
障害のある方が利用できる就労系福祉サービスには、B型のほかにも「就労継続支援A型」と「就労移行支援」があります。それぞれ対象者や目的が異なるため、自分の状況や目標に合ったサービスを選ぶことが大切です。
就労継続支援A型
事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を受け取りながら働くサービスです。一定の支援があれば継続的に働ける方が対象で、B型よりも一般就労に近い環境で働くことができます。利用対象は原則18歳〜65歳未満で、利用期間の上限は基本的にありません。
就労継続支援B型
雇用契約を結ばず、自分のペースで生産活動に取り組むサービスです。体調や障害の状況に応じて柔軟に利用でき、利用期間の上限もありません。年齢制限もなく、幅広い方が利用できます。
- 就労継続支援B型 雇用契約を結ばず、自分のペースで生産活動に取り組むサービスです。体調や障害の状況に応じて柔軟に利用でき、利用期間の上限もありません。年齢制限もなく、幅広い方が利用できます。
- 就労移行支援 一般就労を目指すための職業訓練や就職活動サポートを行うサービスです。原則2年間の利用期限があり、就職を明確な目標として進む方向けのサービスです。
B型は「まず働くことに慣れたい」「体調を整えながら社会参加したい」という方に特に適したサービスです。実際に、B型事業所での経験を積んだ後にA型や一般就労へとステップアップされる方も多くいます。焦らず自分のペースで、次のステップを考えられる環境がB型の大きな魅力です。
どんな人が利用できるの?
就労継続支援B型は、障害や難病のある方で、以下のいずれかに当てはまる方が対象です。
- 就労経験はあるが、障害や年齢・体力の理由から現在は一般就労が難しい方
- 就労移行支援を利用したが、一般就労やA型事業所での就労に結びつかなかった方
- 50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給している方
- 就労アセスメントを受け、就労面での課題が把握されている方
対象となる障害・疾患の種類は幅広く、身体障害・知的障害・精神障害(統合失調症・うつ病・双極性障害など)・発達障害(ASD・ADHDなど)・難病など、さまざまな方が利用されています。「自分は対象になるのかな?」と思われる方も、まずはお気軽にご相談ください。
なお、障害者手帳をお持ちでない方でも、医師の診断書や定期的な通院実績があれば、自治体の判断によって利用できる場合があります。特別支援学校を卒業後にB型の利用を希望される場合は、事前に就労アセスメントを受ける必要があります。いずれの場合も、お住まいの市区町村の障害福祉窓口または当事業所スタッフへお気軽にご相談ください。
どんな作業をするの?
就労継続支援B型での作業は「生産活動」と呼ばれ、事業所ごとにその内容はさまざまです。主な作業の例として、農作業・野菜の栽培や収穫、パン・お菓子・惣菜などの製造・販売、手工芸・アクセサリー・雑貨の制作、部品の組み立て・袋詰めなどの軽作業、データ入力・パソコンを使った事務作業、清掃・クリーニングなどがあります。
一人で全ての工程を担う必要はなく、利用者それぞれの得意なことや体調・その日のコンディションに合わせた役割分担で進めます。たとえばパン製造であれば、材料の計量・生地の成形・焼き上がりの検品・商品の陳列・接客販売など、細かく工程が分かれており、自分に合った担当を選ぶことができます。
担当の職業指導員や生活支援員が常にそばでサポートするので、はじめての作業でも安心して取り組めます。また、生産活動以外にも、体操・レクリエーション・外出イベントなどのアクティビティを取り入れている事業所もあり、作業の合間にリフレッシュしながら楽しく通える環境づくりをしています。日中の安心できる「居場所」としての役割も、B型事業所の大切な機能のひとつです。
1日のスケジュールのイメージ
1日の流れは事業所や利用者によって異なりますが、一般的なスケジュールの例は以下のとおりです。体調に合わせて途中休憩を挟んだり、午前のみ・午後のみの参加も可能な事業所が多いです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 9:00 | 登所・朝のミーティング |
| 9:15 | 午前の生産活動開始 |
| 12:00 | 昼食・休憩 |
| 13:00 | 午後の生産活動開始 |
| 15:00 | 休憩・自由時間 |
| 15:30 | 終礼・帰宅 |
「フルで参加するのはまだ難しい」という方も、短時間からスタートして少しずつ慣れていくことができます。自分のペースで無理なく続けることが、長く通い続けるための一番の近道です。
工賃(報酬)はもらえるの?
就労継続支援B型では、生産活動の対価として「工賃」が支払われます。雇用契約を結ばないサービスであるため最低賃金の適用外となりますが、全国平均は月額約16,000円程度(時間給換算で約233円)です。金額だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、近年は各都道府県で工賃アップへの取り組みが積極的に進められており、平均を大きく上回る成果を出している事業所も増えています。
工賃は「収入を得る」という意味だけでなく、自分の努力が形として還ってくるという達成感・自己肯定感にもつながります。「働いて対価をもらえた」という経験は、次のステップへの大きな自信となります。
また、工賃だけでは生活費が不安という方には、以下の制度との併用も可能です。
- 障害年金 障害や疾患により生活・仕事に支障が生じた場合に、年齢に関係なく受け取れる年金です。B型事業所で働きながら受給できる場合があります。障害者手帳の有無は関係なく、受給条件を満たしていれば申請できます。
- 失業等給付(失業保険) B型の受給要件と失業保険の受給要件を両方満たしている場合、併給できることがあります。詳しくはお近くのハローワークへご確認ください。
- 生活保護 障害等により収入が不十分な場合に、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。B型の工賃・障害年金・生活保護を組み合わせながら生活を安定させつつ、その後に就職を果たした方もいます。
どの制度が自分に合っているか、使える制度は何かについても、担当スタッフが一緒に考えますので、遠慮なくご相談ください。
利用料はかかるの?
就労継続支援B型の利用料は、前年度の所得に応じて自己負担上限額が定められています。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯の方は自己負担が0円となっており、多くの方が無料または低額で利用できます。ひと月に利用したサービス量にかかわらず、以下の上限額を超える負担は発生しません。
| 世帯の状況 | 月額負担上限 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
「費用がかかるから利用をためらっている」という方も、まずは一度ご相談ください。ご自身の負担額がいくらになるかを一緒に確認することができます。
利用期限・時間の制限は?
就労継続支援B型には利用期限がありません。 長期的に自分のペースで通い続けることができます。また、週5日フルで通う必要もなく、週2〜3日・1日2〜3時間といった短時間からのスタートも可能です。体調に波がある方や、通院が必要な方、家庭の事情がある方も、無理なく続けられるよう柔軟に対応しています。
「続けられるか不安」という気持ちはとても自然なことです。まずは体験利用から始めて、実際の雰囲気を確かめてみてください。通いながら徐々に日数や時間を増やしていくことも可能ですので、焦らず自分のペースで進めていきましょう。
スタッフのサポート体制について
就労継続支援B型事業所には、利用者の方を支える専門スタッフが配置されています。主なスタッフとして、職業指導員、生活支援員、サービス管理責任者がいます。
職業指導員は、生産活動の指導や作業上の技術的なサポートを担当します。生活支援員は、日常生活や体調管理など、仕事以外の面でも幅広くサポートします。サービス管理責任者は、個別支援計画の作成や定期的な面談を通じて、一人ひとりの目標に向けた支援全体をマネジメントします。
定期的に個別面談を行い、現在の体調・目標・困っていること・今後の希望などを一緒に確認しながら支援の方向性を調整しています。「仕事のことだけでなく、生活面の悩みも相談したい」という方もぜひご活用ください。
利用開始までの流れ
就労継続支援B型を利用するには、受給者証の取得が必要です。はじめて聞く言葉で難しく感じるかもしれませんが、手順を一つひとつ踏めば問題ありません。当事業所のスタッフがしっかりサポートします。
- 主治医に相談・許可をもらう まずは通院中の主治医にB型事業所の利用を相談し、意見をもらいましょう。
- 事業所を見学・体験利用する 気になる事業所へ見学や体験利用を申し込み、作業内容や雰囲気を実際に確認しましょう。
- 市区町村の障害福祉窓口で利用申請する 利用したいサービスを申請します。窓口の名称は市区町村によって異なります。
- サービス等利用計画書を作成する 相談支援専門員が無料で作成をサポートしてくれます。自分で作成(セルフプラン)することも可能です。
- 障害区分認定調査を受ける 市区町村の調査員が生活や障害の状況について訪問調査を行います。
- 受給者証が発行される 支給決定の通知とともに受給者証が交付されます。申請から発行まで通常約2ヶ月かかります。
- 事業所と契約して利用スタート 受給者証を持って事業所と正式に契約を結び、いよいよ通所開始です。
申請の手続きは、はじめての方には少し複雑に感じることもあるかもしれません。「何から始めればいいかわからない」という方も、当事業所のスタッフが申請のサポートを行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
事業所を選ぶときのポイント
B型事業所は全国に多数あり、作業内容・雰囲気・サポート体制はそれぞれ異なります。後悔しない選び方のために、以下のポイントをぜひ参考にしてください。
- 作業内容が自分に合っているか 興味が持てる作業かどうか、自分の得意・不得意と合っているかを確認しましょう。見学時に実際の作業を見せてもらえることもあります。体験利用ができる事業所であれば、ぜひ積極的に活用してみてください。
- 勤務時間・日数の柔軟性 体調に合わせた時間帯・日数で通えるかどうかを事前に確認しましょう。通院日の配慮や、体調不良時の早退・欠席への対応なども相談できるか確かめておくと安心です。
- スタッフの対応・雰囲気 職員が利用者一人ひとりに丁寧に関わっているか、質問や相談をしやすい環境かどうかも大切なポイントです。見学時にスタッフと実際に話してみると雰囲気がつかみやすくなります。
- 通いやすい立地かどうか 毎日通う場所だからこそ、自宅からの距離やアクセスのしやすさも重要です。送迎サービスのある事業所もありますので、移動に不安がある方は確認してみましょう。
- 他の利用者との雰囲気 自分がリラックスして過ごせる場かどうかも大切です。見学時に利用者の方々の様子も観察してみましょう。
よくあるご質問
Q. 見学や体験利用だけでも申し込めますか?
はい、もちろん可能です。利用を迷っている段階でも、まずは見学・体験利用からお気軽にお越しください。実際の雰囲気を確かめてから決めていただけます。
Q. 精神科に通院中ですが利用できますか?
はい、精神障害(うつ病・統合失調症・双極性障害など)のある方も多くご利用いただいています。主治医にご相談の上、まずはお問い合わせください。
Q. 働いたことがなくても大丈夫ですか?
はい、就労経験がない方でも利用できる場合があります。まずはお住まいの市区町村の窓口や当事業所スタッフにご相談ください。
Q. 途中でやめることはできますか?
はい、ご自身のご都合やご体調に合わせて利用を休止・終了することができます。無理に続ける必要はありません。
まずは見学・体験利用からどうぞ。
「自分に合うかどうか不安…」という方も大歓迎です。スタッフ一同、あなたのペースに寄り添いながら一緒に考えていきます。小さな一歩が、新しい毎日への大きな変化につながります。まずはお気軽にお問い合わせください。
事業所の具体的な作業内容・所在地・スタッフ紹介・写真キャプションなどへの差し替えや、さらなる追記・修正もいつでも承ります。お気軽にお申し付けください!
